有名人のコロナ死者が多過ぎないか

有名人、とは一口に言っても芸能人(これも一口に言うことはできない)、政治家、芸術家、官僚、科学者、などなど、到底一括りにはできないし、その総数が極めて大きくなるであろうことは間違いない。

しかし、それにしても、とわたしは思うのである。というより、懸念している。

タイトルの通り、結構な数の有名人が最近亡くなっているからである。公にされている新型コロナによる死者数は現時点において500人ほどである。そのうちの、わたしが知っているだけでも有名人は10人くらいは亡くなっている。

これは異常ではないか、とわたしは感じるのである。コロナで亡くなった方の少なくとも五十人に一人は有名人である、というのは異常な数値ではないか。もしもこれが異常でないと言うなら、わたしたちの周りの50人に1人はネットやテレビに名が出るほどの人たちでなければならないということになる。

これには何か事情があるに違いない。

昔、確かパスカルだったと思ったが、ある産院での妊産婦の死亡率が異常に高く、そこで子供を産むのが怖いという婦人たちが多いということから、その真相を暴くべく数学者としてその謎の解明にあたったという話を何かの本で読んだことがある。当時というのは勿論、コッホやパスツール以前の伝染病や感染症の何たるかも分からなかった時代である。

パスカルがとった統計的手法により、この産院での妊産婦の死亡率は有意に家庭での出産や他の産院でのそれより高いことが分った。そこで、死亡率の高さの真の原因までは分からなかったものの、その産院の衛生状態を徹底的に改善することにより死亡率が正常なものになった、ということであった。

要は、一見おかしいと思われることには、必ず原因があるということである。

「有名人」については案外単純なことかも知れない。一つは、彼らの交友範囲、および活動が一般人に比して相当に広く、高いということである。つまり、彼らは活動的であったが故に有名人になれたのかも知れず、またそれ故にコロナに感染し易かったのかも知れぬ、ということである。

そういう意味では、コロナはわたしたちに、いやわたしにこう訴えているのかも知れない。


いいか、おまえら。ずっと、じっと大人しくしてろよ。有名になったからといって、いったいそれがなんだと言うんだ。太く短く死にたいのか。

いったいおまえは今幾つなんだ。え? 〇〇歳! その歳になって、いまさら有名人になりたいもなにもないだろう。いいか、おまえに残された選択肢はただ二つ、細く長く生きるか、細く短く死ぬかだ。どちらがよいか、聞くまでもないだろう。