DrハンニバルとS・マックィーン

2010/03/01 22:05


レクター・ハンニバル博士をご存知だろうか。映画「ハンニバル」において、彼は実に興味深いことをやってくれる。

たしかFBI捜査官だったと思うが、主人公クリスの敵役として登場するこの男をハンニバルがどのように痛めつけるかというと・・・、これから見る人のためにここは一つ書かないでおこう。

話は変わるが、シナという国は非常に食文化が豊かである。それに、サイボーグ006を見ても分かるとおり(このチャンチャンコという男は「お昼ごはんはすんだあるかね」といつも他人の胃袋の具合を心配している)シナ人というのは、とても食べることを大切にするらしい。

そのシナにはツバメの巣のスープというのがあるらしい。らしいというのは、わたしはラッキーなことに、まだそんなものを食わされるはめになったことはないからである。
フカヒレスープというのもあって、これは大変美味だそうである。しかし、鱶が可哀想でやはりちょっと食べる気にはなれない。なぜなら、鱶はただ鰭だけを切り取られると後はすべて海に捨てられてしまうらしいからだ。いくら海のギャングとはいえ、これでは余りに命に対する冒涜というものではないか。
蚊の目玉のスープというものもあるそうだ。それがどんなものか、口に入りさえすれば沢庵のしっぽでも鰯の頭でも喜んで食ってしまう、グルメなどという言葉とはまったく縁のないわたしには見当もつかない。
でも、どうやって蚊の目玉だけを集めるかということだけは知っている。それは、蝙蝠が沢山巣を作っている洞窟に入ってその糞を集める事から始まる。そして、その糞をお湯に溶かす。すると、蝙蝠の大好物である蚊の消化できなかった目玉だけが溶けずに残るので、これを漉して集めるのである。なんという素晴らしい食に対する情熱であることか。

さて、話はさらに一変して、スティーブ・マックィーンである。わたしは「大脱走」も「荒野の七人」も大好きである。そして「砲艦サンパブロ」も。
そのS・マックィーンがシナに招待された。そして、その晩餐の席には、シナでは賓客をもてなすときのみに饗されるという最高の料理が出された。
マックィーンは、それを見て声も出なかったという。

テーブルの真ん中にでんと据えられた台には真ん中に穴が開けられており、その穴からは頭蓋骨の上半分を切り取られ、脳みそが丸出しになったままキーキー泣き叫ぶ猿の頭だけが出ているのだ。そして、目の前の皿には銀のスプーンが一本だけ置かれている。

わたしが思うに、砲艦サンパブロという映画がシナにはよほど不愉快だったのではないか。
わたしは映画の最後のシーンを良く憶えているが、それはマックィーンが友達になったシナの若者をライフルで艦上から狙撃して殺すシーンであった。この友人をなぜ彼は殺さざるを得なかったか。――そうしないと、暴徒たちに捕まった彼は筆舌に尽くしがたい残虐な殺され方をするからである。
この映画は南京事件の顛末を描いたものであった。

さて、冒頭のハンニバルの所業だが、このスティーブ・マックィーンのエピソードにヒントを得たものではなかったか、とわたしは考えている。