2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

災害は抜けた為政者の下にやってくる3

日本のことを外国の方に聞くと、大抵このような答えが返ってくる。 曰く、日本は非常によくオーガナイズされた国である。 これをわたしなりに翻訳するなら、電車は時刻ぴったりに到着するし、ゴミはペットボトル、缶、紙、プラスチックと実によく分類して処…

自力と他力

2018/01/29 20:19 考えてみよう。ビルゲイツのような、あるいはジェフベゾスのような、超超兆万長者になるのは自力によるものだったのであろうか?逆に、どこかの駅の通路にダンボールでねぐらを拵えているホームレスになるのもまた自力(とは言わないであろ…

シュレ猫と釈迦の掌

2018/01/26 10:52 既に書いたことだが、時間、あるいは運命というものの不思議についてである。 10光年先からSOSが地球に届いたとする。届いた時点でそれは10年前の情報である。つまりすでに手遅れで、地球人は10光年も先もの宇宙人を助けることはできない。…

西部邁さんを悼む

2018/01/21 18:28 思想家の西部邁さんが亡くなった。入水されたのだという。 何年か前に愛する奥様を亡くされている。そのことを本にもされた。ご自身もがんに侵されていたという。 それにしても、改めて思われるのは、人間というものの「か弱さ」である。あ…

運命愛

2018/01/21 18:21 運命愛というのは、これはよく分かる。 なにしろ、人は肉体と運命を貰って生まれてきたのだ。自分の肉体を愛するのと同じように、当然に自分の運命を愛するより他にはない。自らの運命を愛する。しかし、これほど恐ろしい言葉もない、であ…

奔訳 白牙 50

2017/12/17 19:34 そして、グレイビーバーがキッチェを自由にする日がやってきた。彼は、彼女がもう逃げ出すことはあるまい、と決断を下したのである。白牙は母親が解放されるのを見ると嬉しくてしようがなかった。彼は浮き浮きした気分で母と共にキャンプの…

奔訳 白牙49

2017/12/03 21:31 彼は自らを養っていかねばならず、その点において実にうまくやってのけたが、それはインディアンの女たちにとっては疫病神であることを意味した。彼はこっそりとキャンプに忍び込むと巧みに、今どこで何が起きているかを眼と耳で敏感に察知…

奔訳 白牙48

2017/12/06 00:19 その点においては、彼らは白牙となんら変わるところはなかった。しかし人間という獣は無謬の、逃れることのできない神なのだ。彼の母、キッチェが名前を呼ばれたその瞬間から彼らに忠誠を示したように、白牙もまた彼らに忠義心を抱き始めて…

Fire ants

2017/10/06 11:03 I didn't know about Fire Ants or Hiari, except it's name. But I just thought that it should have poison, guessing from that name. Because the name Fire remind us a specific image that is something very painful like barnnig…

The Travel

2017/09/18 13:06 "To the moon and beyond" is a small story I read when I was high school student. I can't remember every detail of the story, though I remember a bit about the beginning. It was a Greek mythology of Icarus and Daedalus. I t…

My way of life

2017/08/18 17:13 Jack London, Mark RowLands, and Henry David Thoreau, are authors, I recently read. These authors are have something in common. And me either. They are all misanthrope, in my point of view. That why I am fascinated by their…

森の生活

2017/08/06 20:24 ウォールデンを読み、聴き始めた。すでに数か月。ヘンリーディービッドソーローはジャックロンドンともあるいはマークローランズとも、そしてわたしとも通底する。つまり、みなミスアンスロープなのである。ウォールデンがどういう土地なの…

Imperial house in Japan

2017/07/21 16:32 Japanese Imperial house have many problems today. And, I think, to say this is impolite, even rude, but such problems have been occurring since Masakosama had married with the Crown Prince. Honestly speaking, I am very con…

第二章  絆

白牙の日々は群との関わり合いの中に過ぎていった。その間、キッチェは棒に繋がれたままで、一方彼は何かを求め、あるいは何かを探し、あるいは何かを学ぼうとキャンプ中を走り回った。彼はすぐに人間というもののやり方を習得したが、かと言って、そのよう…

奔訳 白牙47

2017/07/13 12:34 ここには殺伐とした空気が流れていた。それは虫のようにぶんぶんと唸り声を上げている。絶え間なく続く緊張と突如として変化する状況は彼の神経と感覚を圧迫し、神経質で落ち着きなくさせ、今にでも何かが起こるのではないかという不安で脅…

奔訳 白牙 47

2017/07/12 16:12 第二章 絆 白牙の日々は群との関わり合いの中に過ぎていった。その間、キッチェは棒に繋がれたままで、一方彼は何かを求め、あるいは何かを探し、あるいは何かを学ぼうとしてキャンプ中を走り回った。彼はすぐに人間というもののやり方を習…

奔訳 白牙46

2017/06/04 13:12 キッチェが白牙の傷を舌で慰めるように舐めてやり、自分の元に引き止めようとした。しかし、好奇心が彼の内で暴れまわり、数分後には新しい冒険を求めて彼は飛び出していった。途中、彼は一人の人間に遭遇したが、それはグレイビーバーで、…

奔訳 白牙45

2017/05/23 20:20 両親は、自分と少しばかり違っているというだけであったが、しかし、ここに突然、一見して自分と同じ種と分かる生き物が現れた。そして、一目会った瞬間から、彼らが彼を殺そうとばかりに襲いかかってきたことに、彼は隠然とした怒りを覚え…

奔訳 白牙44

2017/05/07 14:36 インティアンたちもまたその音を聞いた。狼の仔はその音が何かを知っており、最後に泣き声というよりも勝利の雄叫びのような、長い鳴き声を一つあげると、それきり泣き止んでじっと母親の、凶暴で決してなにものにも屈することのない、闘え…

奔訳 白牙43

2017/05/05 13:11 火を起こすもの 灰色の仔は、いきなりそこにやってきた。彼の落ち度であった。彼は不注意だったのである。彼は、水を飲もうと洞窟を出て川までやってきたのである。睡眠不足のためか頭が重かった(夜通し狩りに出ていて、今起きたばかりだ…

奔訳 白牙42

2017/04/30 21:54 肩の傷は硬くなって酷く痛み、そのために彼は時々びっこをひいて歩かねばならなかった。しかし今、彼が見る世界は違っていた。彼はその世界に、大山猫との死闘以前にはなかった意気を感じ、堂々と胸を張って踏み入るようになった。彼は、人…

奔訳 白牙41

2017/04/23 16:34 灰色の仔は内なる命に突き動かされ、母親の傍で立ち上がって勇敢にも唸り声を上げた。しかし屈辱的なことには、母親は彼を鼻先で押し退け自分の後ろにつかせたのである。入口が低すぎて山猫は跳び込むことが出来ず、腹這いになって入って来…

奔訳 白牙 40

2017/04/20 21:57 再び飢餓がやってきて、灰色の仔は噛みつかれるような空腹をはっきりと意識した。雌狼は、彼女自身も痩せ衰えながら必死で肉を求めて走った。彼女は、もはや洞窟の中で眠りにつくことはほとんどななく、一日中狩に費やしたが、その成果はな…

奔訳 白牙39

2017/04/16 22:49 第五章 肉の掟 灰色の仔の発達は目覚ましかった。二日間休んだだけで、再び洞窟を出て探検へと出かけたのである。そして、その探検の途中で彼は、彼が雌狼のご相伴に与った鼬の母親の幼い仔が母を探して回っているのを見た。今回の探検では…

奔訳 白牙38

2017/04/11 21:51 彼が泣き叫び後退さりしているうちに、見ると母鼬は仔の一匹に飛びついて近くの藪の中に連れ去った。母鼬に傷つけられた首の傷は痛んだが、それは実際の痛み以上に強く感じられ、彼はその場に座り込んで弱々しく泣き続けた。母鼬は小さな身…

奔訳 白牙37

2017/04/10 08:11 激流の下は二つ目の淀みで、彼はここで渦に捕まり、緩やかに岸へと運ばれて、そして緩やかに捨てられるように小石の河床へと投げ出されていった。彼は狂ったように足で水を掻いて岸に辿りついた。 彼はまたここで世界について学んだのだっ…

奔訳 白牙36

2017/04/09 17:26 しばらくして、ライチョウは静かになった。彼の方は片方の翼に喰らいついたままで、双方は地面に腹ばいになったまま睨みあった。彼は凶暴な唸り声を上げ相手を脅かそうとする。その鼻面を彼女が突っついたので、これまでの突っつかれた傷と…

奔訳 白牙35

2017/04/02 16:32 ビギナーズラックであった。狩る者として生まれ(もっとも彼はそのことを知らなかった)、初めて巣であった洞窟を出て、すぐのところで肉と出くわしたのである。まさにそれは偶然の出来事であり、そのようなところにライチョウの巣が巧妙に…

奔訳 白牙34

2017/03/21 21:16 しかし斜面は段々と緩やかになってゆき、草がその表面を覆うようになった。そして勢いが止まった。転がり落ちるのが止んだとき、彼は痛さから叫びを上げ、それから長い泣き声を上げ続けた。そして、ごく当然に、これまで人生で千回も排泄を…

奔訳 白牙33

2017/03/18 21:43 これまで彼が経験してきた他の壁とは違い、この壁は彼が近づけば近づくほど後退していくように見えた。柔らかな鼻を使い恐る恐る壁を突いてみようとしても硬いものに当たることはない。壁の材質は恰も光そのものであるかのように通り抜けた…