台風に備えよ

2011/03/26 23:40


原発事故の終息が見えない。まったくの先行き不透明だ。先日、東電協力会社の作業員3名が汚染された水に足を踏み入れて被爆した。被爆線量は相当なものらしく、ベータ線による火傷のほか、体内被曝も懸念されるという。
それにしても、何故タービン建屋の水が汚染されたか、その原因が非常に気になる。原子炉の格納容器から漏れているとすれば、これは非常に由々しき事態である。仮に燃料プールに注水した水が溢れて、タービン建屋まで浸水してしまったとしても、それはそれで後の始末に困難が伴う。
今、国や東電が必死になってやっていることは、局面の打開であって、根本的な対策ではない。その局面にしても周囲の放射線量が強くて、線量管理をしながらの作業は当然のようにはかどらない。指揮をする方も、また作業を行う者も気ばかりが焦って、もどかしさでいっぱいであろう。どうか、怪我のないようにと祈るばかりである。
しかし、これは悲観的な見方かも知れないが、あの重大事故が終息を見るまでには、少なくとも数年はかかるであろう。そこで、とても気になるのは台風のことである。
もしも台風があそこを直撃すれば、どういうことになるか、想像するだに恐ろしい。
今、局面の打開は何としてでもやらねばならない。しかし、その一方で、事態をさらに悪化させかねない様々な要因についても早急に研究を行い、先手を打つべきである。今回の事故がシビアアークシデントといわれる事態にまで悪化したのは、一つには電源車を現場に持っていったまでは良かったが、ケーブルが届かなかったためであり、また核燃料プールが沸騰しているという状況を誰もが想像できなかったからである。もしもこのことが予見できていれば、燃料プールまで消防車から消防用ホースを伸ばして燃料プールが沸騰する前に注水することも出来たであろう。

いずれにしろ、これからは起こりうるあらゆる可能性を洗い出し、事前に阻止しておかねばならない。