2014/06/26 08:09
手鏡男というので有名になった教授がいた。いや、手鏡男と呼ばれる前からこのひとはかなり有名だった。
ベン・ケーシー（古い！）というアメリカドラマの冒頭、外科医ベンは、黒板に男（メールか）と言いながら♂をチョークで書く。次に女（フィメールか）と言いながら♀と書く。その次がなんだったかは忘れた。あ、そうだった。♰であった。つまり、死である。
女を表す♀は手鏡からきているという。♂は確か槍だったか、珍しい鉾だったか。
そう考えていくと、いやそう考えなくとも、手鏡男というのはおかしい。チョビ髭女と同じくらい変である。子供でもその語感に違和感を覚えるのではないだろうか。
いずれにせよこの教授、不名誉な名前を与えられたものである。
でもこのひと、どうやら周りが思うほどには不名誉とは感じていないようである。それは、ある政治ブログで活躍中であるからよく分かる。
そもそも、不名誉に思う必要などないのである。男はむっつりすけべかただのすけべかのどっちかであって、すけべでない男などに男としての価値はない。
かくいうわたしもすけべである。幼少の砌にはセルロイド製の下敷きを使ってよく悪さをした。
かのフォン・ノイマン（コンピュータの父と言われる）などは、スカート捲りが大好きだったそうである。これを平然とパーティの席などでやる。さぞかし迷惑がられたことであろう。
ずいぶんと枕に時間を割いてしまった。鏡について述べるつもりだった。
鏡というのは不思議である。キャロル・ルイス(わっかるかな？）は「不思議な鏡の国のアリス」という続編を書けばよかった。
フレミングの右手三指は、3次元のx、y、ｚを表す。しかし、ここではこれを次の通り定義してみる。
1）右手 i：中指、ｊ：人差し指、k:親指
２）左手 i'：中指、ｊ'：人差し指、k':親指
iを鏡に映せば、i'になり、その向きは逆である。そこで思い出すのが、中坊のときだったか、高校のときだったかに習った虚数である。
虚数は、英語で言うならimaginary-numberで、その頭をとって単位はiであり、これを二乗すると－１になると教わった。
だから、これを利用すればよい。つまり、鏡を正面に置いたときに右手の中指を鏡の方に向けると、iはi^2となるのである。
では、jはどうか。これも同じことで、鏡に向けて人差し指を指すとj^2となり、これも－になる。kも同様である。
間違っちゃいけないのは、iを鏡に向けた状態で、iを軸に180°回転させたとき、jもkも反対方向を向くが、これは二乗したことにはならないということである。つまり、iもjもkも逆に（二乗）してしまえば元の姿に戻ると考えられるが、上はただ鏡に映った姿を上下逆さまにしたにすぎない。
鏡に映った自分の姿を今はやりの3Dプリンターで作ったとする。これを逆立ちさせようと裏返しにしようと、それは実物のあなたとは絶対に重ならない。鏡に映った右手を3Dで作っても、軍手ならともかく、あなたが愛用している右手の皮手袋は絶対にはめられない。
鏡に映ったあなたとは、まさに化け物なのである。
