2015/08/08 07:00
戦後七十年が経とうとしている。それにしても喧しいのはいわゆる特亜三国の反日宣伝である。特に韓国が主張する従軍慰安婦問題などは、朝日新聞が捏造記事を載せ、河野洋平がまるで韓国に阿諛するがごとく強制性を認める個人的発言をするまでは、両国間でほとんど問題にもされなかった。
もちろん、戦前、戦中、戦後を通して、日韓両国間には統治されたものと統治したものとの葛藤があった。
朝日新聞は、この葛藤に火を焚きつけ大火事にしてしまうことに成功したのである。
この新聞社(だけではないにせよ)はまた、戦前、戦中には戦争を礼賛するがごとく軍部寄りの記事を書き、国民を戦争へ引きずり込んだ。
当時の日本はといえば、関東大震災からの復興に大金を使い、また、度重なる恐慌から国力も落ちていた。東北地方では飢饉のために娘を売る親さえ現れた。そんな時代であったから、日本を勝てるはずのないアメリカとの戦争に巻き込み、あわよくば共産化させてしまおうというアジテーターたちが蠢いていた。このような輩は軍部にも多数いたのである。
それはさておいても、わたしがおかしいと思うのは、従軍慰安婦問題である(従軍慰安婦というような言葉が当時一般的に使われていたとは思わないが、使いやすいので、ここではとりあえずこうしておく)。
わたしは寡聞にして一人として名乗り出た人を知らないが、日本人女性にも従軍慰安婦はいたはずである。しかし彼女たちは、名乗り出ないばかりか政府に補償を求めようとさえしない。この両者の違いはいったい何によるものなのか。
また、韓国や外国の従軍慰安婦問題に熱心な日本人の弁護士(わざわざ外国に足を運んで、無理やり?このような人を探し出してきた弁護士もいると聞く)や人権活動家たちは、なぜ、こうも日本人従軍慰安婦に対しては冷淡になり得るのであろうか。
余談ながら、ここに産経新聞の有名な阿比留瑠比記者のコラムを紹介したい。
「・・・この慰安婦問題の議論ではいつも根本的に欠落している大事な部分があるということです。それは、
慰安婦問題はいつも国際問題だとか外国との関係で語られるけれど、実際には慰安婦の大半は日本人女性だった、という基本です。
近代史家の秦郁彦氏の調査によると、慰安婦全体の約3分の2は日本人女性でしたね。なのに、彼女たちは事実上、存在を無視されている。そのことが、問題の本質を大きく歪めている気がします。
だいぶ前のことですが、慰安婦に「償い金」を支給する「アジア女性基金」の理事長だった村山富市元首相にインタビューした際のことです。慰安婦への謝罪や心配りの必要を滔々と述べる村山氏に対し、私が
「ところで村山さんは、日本人慰安婦のことはどう考えているのか」
と聞くと、村山氏は全く想定していない質問だったようで
「うっ……」
と詰まって何も答えられませんでした。そして、付き添いの女性基金理事の某学者が、何の権利があってか「この質問はなかったことに」と言いだしました。私は、「ああやはり、村山氏の頭の中には、同胞たる日本人慰安婦のことは何もなかったのだな」と感じたのでした。
この慰安婦の大半が日本人だったという当たり前の事実は、韓国も米国も国内左派識者も気づいていないか、見て見ぬ振りをしているように思えてなりません。だから議論が変な方向に向かうのだとも感じています。」
以上だが、わたしはこんなところにも、外面は仏でも内面は般若のような、あるいは強気の者には弱く、弱気の者には強いという日本人の心理構造を垣間見るような気がするのだ。
それはともかく、従軍慰安婦という春を売る職業の人たちが日本人、韓国人を問わずいたことは認めなければならない。
ただ、この人たちについて問題とされているのは、日本の公権力が強制的に彼女らを引っ張ってきたかどうか、である。日本政府の公式見解は「探してみたがそのような強制性を示す資料はなかった」であり、韓国政府の見解は「いや、強制性はあった」である。
また河野洋平氏は、「個人的」に「あったと考えている」のであり、あのとき政府の見解を公表したわけではない。
ところで、従軍慰安婦など別に韓国人ではなくとも日本人だけでもよかったのではないか、とわたしなどは思うのだが、これは日本人女性だけでは絶対的な数が足りなかったということなのか、それとも日本人女性のモラルが高くてそのような職業に就くものが絶対的に不足していたからということなのだろうか。しかしそれにしては、当時の日本では娘を身売りしなければならないほど困窮する者も多かったのである。
さらに言うなら、従軍慰安婦などよりも、真に足りなかったのは軍人そのものであろう。なぜ軍部は朝鮮人を軍人にすべく強制的に引っ張ってこなかったのだろう。
と、考えていたわたしが甘かったことが分かった。それは、産経新聞に掲載された次の記事を読んだからである。
軍部は、朝鮮人を帝国軍人にしていたのだ。当初軍部は朝鮮人を帝国軍人にする意向を持たなかったが、彼ら朝鮮の人たちの、それでは自分たちに対する差別であるという至極もっともな意見に従い、大多数とはいえないにせよ、応募により彼らを帝国軍人にしていたのである。中には、現朴大統領の御尊父であった朴正 元大統領のような将校もいた。
また、彼らの中には特攻隊員として散華した若者も少なからずいたのである。