2019-10-27から1日間の記事一覧

「武士道」に惚れ込む

2013/07/26 09:55 「武士道」は、ほのかな桜の香のする名文である。 新渡戸は、あるベルギーの教授と散策中に、ふとその教授の漏らした日本人に対する疑問に自身が即答しかねた、そのことがこれを書く一つの動機になったとしている。ベルギーの教授の疑問と…

武士道を読み 生と死について思う

2013/07/24 14:06 生きているということは、それほどたいしたものなのだろうか。 このように思ったり、あるいは感じたりしたひとは多いのではなかろうか。 「それほどたいしたものなのだろうか」は、もちろん反語であり、その裏には否定がある。人生などどう…

風立ちぬ・・・そして腹も立ちぬ

2013/07/23 13:51 宮崎駿監督作品、「風立ちぬ」を見た。副題に「堀越二郎と堀辰夫へ敬意を込めて」とあるのは、このアニメ作品が堀越二郎の零戦開発と堀辰夫の小説「風立ちぬ」、そして「菜穂子」をミックスさせたフィクションであることを示している。 こ…

DNAと精神

2013/07/19 19:56 出勤時に蜘蛛の巣が朝日を浴びてきらきら光っているのを見た。漁師さんが船出する前に網を手入れしている姿を想像し、おかしくなった。おまえさんも大漁だといいね、と声をかけた。 上からいろんな妄想が浮かんだ。本を読む以外には何の楽…

忘却について

2013/07/15 11:13 オブリビオンという映画を見た。コンゴという小説を読んだ。白い牙を読み、荒野の呼び声も読んだ。これらの経験がいま頭の中で沈殿し何か新しい結晶を形成しようとしている。 オブリビオンの背景、シチュエーションは、はるか未来、異星人…

モアイ像

2013/07/11 07:57 新種のモアイ像が増えてきた 今度のは四角張った大きな黒い顔をしたやつで いつも太陽の顔を窺っている 以前からの 円くて小さな白い顔をしたやつは 南西の 空に浮かぶ小さな星とささやかな会話を楽しんでいる 願わくば これら屋根を彩る二…

コンゴと今後のこと

2013/07/09 12:26 コンゴというマイケル・クライトンのアドベンチャー小説を読んでいて、これがだんだんと単なるエンターテインメントとは思えなくなってきたのは、クライトンが展開させる世界には必ず社会的な大きなテーマが伏流水のように流れているからだ…

殺人について

2013/07/07 15:29 桜里さん、横井さん、みなさん、こんにちは。今日は大変暑くて、今までつけなかったエアコンをとうとうつけてしまったくらいですが、天の河の両岸の二人にはとってもよい日のようです。 天の下の少しばかり野暮な問題についてですが、自殺…

一流が書いた二流小説家

2013/07/05 15:40 先日見た映画のタイトルが二流小説家というものだった。 あまり邦画を見ないし、あまり期待もしていなかったので、ストーリーに意外性があって面白いしテーマにも深いところがあり見ごたえがあるのに驚いた。 フォトシリアルキラーと呼ばれ…

人間はミミズである

2013/06/30 15:41 春を買ったことのないわたしだが、毎週のように文春と新潮は買っている。 その文春、じゃあなかった新潮でまっさきに読むのが藤原正彦氏の「管見妄語」だ。両親揃って直木賞作家という家庭のご子息というだけあって、その短いエッセイには…

こんどはこんご

2013/06/28 12:58 いま、マイケル・クライトンのコンゴを読んでいる。オオカミに続くゴリラシリーズになるかどうか。 それにしても、である。これはとってもよくできている。さすがはマイケル。マッ、イケルである。 まだ三分の一ほどしか進んでいないのだが…

オオカミとして生きる

2013/06/20 15:38 かなり昔のことだが、ヴェルナー・フロイントの「オオカミと生きる」というのを読んだ。 フロイントというのはドイツの元軍人で、自らを二本足のオオカミと称する男である。 彼は、アルファではなく超位オオカミという立場からオオカミと生…

生きるということ

2013/06/19 13:34 ジャック・ロンドンの有名な二作品(白い牙と荒野の呼び声)を読んで痛烈に感じたことがある。彼らオオカミや犬の世界というのは、これはもう修羅の世界以上の世界であるな、ということである。 白い牙と呼ばれるオオカミの血を75%、犬の血…

癇癪爺と高田の婆

2013/06/06 17:22 いや、ふと思いついただけである。 高田の馬場から西武新宿線に乗ると15分くらいで上石神井につく。高田の婆ぁから癇癪爺ぃへ。車内放送はどうなるのだろう。「次は癇癪爺ぃ、癇癪爺ぃ」あるいは、「次は高田の婆ぁ、高田の婆ぁ」なんとな…

白い牙

2013/05/31 08:45 ジャック・ロンドンの white fang を読み始めたばかり。これは、なかなか読みごたえがありそう。 まだ白い牙は現れない。she-wolfと呼ばれる雌オオカミが片目(One Eye)との間に5匹の仔を儲ける。そのうちのアルファ狼らしき一匹がやがて…

ポピュリズムについて

2013/05/26 15:22 橋下発言についてだが、わたしは政治家が暴言を吐くことは決して悪いことではないと思っている。暴言にはその人の真情が込められていると思うからだ。そもそも暴言とは何かということについて考えてみると、人の感情を揺さぶり怒らせるだけ…

従軍? 慰安婦? なにが問題なのか

2013/05/23 08:29従軍? 慰安婦? なにが問題なのか 何か、とても大きなことのように報道されている。例の橋下発言である。その少し前には東京都知事の発言が問題視された。要するに、メディアの好餌にされているのである。 わたしには橋下発言の何が問題に…

従軍? 慰安婦? なにが問題なのか

2013/05/23 08:29 何か、とても大きなことのように報道されている。例の橋本発言である。その少し前には東京都知事の発言が問題視された。要するに、メディアの好餌にされているのである。 わたしには橋本発言の何が問題になっているのかがよく分からない。…

the key to midnight 2

2013/05/22 13:18 いやぁ、実に面白い。Dr.Inamuraの催眠術の腕をもってしてもまだジョアンナの洗脳は解けない。いや、一度は確かにあるSF小説を鍵に解けたのである。だが、その先にはさらに重い扉が待ち構えていた。 今、舞台は京都からシカゴへと変わろう…

the key to midnight 1

2013/05/21 11:43 昨日の続きになるが、the key to midnight はまさにpage turnerである。面白くて止まらない、かっぱえびせんのごとき作品といってもよい。 これもまたハードボイルド作品である。PI小説と呼んでもよい。そもそもAlexという主人公自身がセキ…

読書日記

2013/05/20 12:43 ローレンス・ブロックを読み、マイケル・クライトンのロストワールドを読み終え、今ディーン・クーンツのthe key to midnightというのを読んでいる。ローレンス・ブロックは800万の死にざま以来のファンだが、どの作品もペダンチックで…

もの覚えが悪くもの忘れもひどい

2013/05/15 10:32 自慢にもならないが、幼少の砌からもの覚えが悪く、またもの忘れがひどかった。小中通して宿題というものをしたことがない。宿題を出されたことをすぐに忘れてしまうからである。最初から念頭になかったと言ってもいい。こんなところが、わ…

The burglar who thought he was Bogart 9

2013/05/13 12:45 He went on, describing the clothes Rasmoulian was wearing down to an alligator belt with a silver buckle, which I certainly hadn’t noticed. I must have seen it but it didn’t register. “That’s amazing,” I said. “You barely …

The burglar who thought he was Bogart 8

2013/05/13 12:44 I turned around and grabbed a book off the shelf behind me. It was the Modern Library edition of Nostromo, by Joseph Conrad, with slight foxing and the binding shaky. わたしは振り返って後ろの棚から本を一冊抜き出した。それ…

The burglar who thought he was Bogart 7

2013/05/13 12:43 “Forgive me,” he said, and reached into his pocket. I braced myself, but when his hand came out the only thing in it was a leather card case. He extracted a card, glanced dubiously at it, and presented it to me. 「これは失…

The burglar who thought he was Bogart 6

2013/05/13 12:41 “Just to clear the air,” I said carefully, “and to make sure we’re not at cross-purposes here, suppose you tell me what it is.”「すこしばかり、ことをすっきりさせようじゃないか」わたしは用心しながら言った。「それと、お互い…

The burglar who thought he was Bogart 5

2013/05/13 12:38 “That’s better,” I said graciously. “Much better. Now tell me what I can do for you. Is there a book you’re looking for?”“A book?” He looked at me, his eyes as wide as they could get. “You know what I am looking for. And p…

The burglar who thought he was Bogart 4

2013/05/13 12:37 “Name your price,” he said.I didn’t hesitate. “I’m sorry,” I said, “but I’m afraid it’s not for sale.”The first thing I thought-the only thing I thought-was that he was looking to buy my store. I didn’t delude myself that …

The burglar who thought he was Bogart 3

2013/05/13 12:34 CHAPTER NineWhen I first saw him on his way through the door I thought he was a kid wearing his father’s clothes. He couldn’t have been more than five-three, and judging by the way he walked he already had lifts in his sho…

The burglar who thought he was Bogart 2

2013/05/13 11:41 この作品の主題はアナトリアということになるのだろうか。この国の独立を願う人々とその期待を担う王の孫。そして、その遺産の正しい継承者の証明となるポートフォリオがこの作品の鍵となっている。 ボガートの方は結局、この作品に彩りを…