半島情勢

2017/04/23 16:37


昨今の北朝鮮をめぐる情勢はかなり深刻なもののように思える。というよりも、ここの情勢は朝鮮戦争以来、何も変わってはいない。

38度線を挟んでの攻防は以来ずっと続いてきたわけで、ただ火が延々と燻り続け、消えかかったと思ったらまたいきなり燃え上がったりといったことを繰り返しているだけだからである。

朝鮮は回廊国家とも冊封国家ともいわれ、朝貢することによって体制を維持してきた。それは今日においても何ら変わらないように思える。
北は、シナの擁護なしには存在できない。これは厳然たる事実である。しかし、ここにきて少し様子が変わってきたように見える。
それは、ドナルド・トランプの出現により、これまでのオバマが唱えていた戦略的忍耐の時代が終わったからである。

トランプと習近平との間にどのようなやり取りがあったか知らないが、シナがこれまでになく北に圧力をかけ始めたのは、両者間の合意によることは間違いないであろう。

シナにとって、北は常にバッファであったが、同時に目の上の瘤でもあった。それは、北朝鮮の外縁には朝鮮族が多数存在しており、七大軍区(今は五戦区)のうち瀋陽軍区(北部戦区)を構成する兵のおよそ半分が朝鮮族だからである。

今、習近平アメリカの意向に沿う形で北に圧力をかけているが、これがもしも「本気」であるとするなら、とても恐ろしいことが起きる可能性がある。それは、瀋陽軍区の反乱である。これまで瀋陽軍区と北朝鮮は一心同体であった。瀋陽軍区は北からレアメタルを輸入し、瀋陽軍区は北に核技術を密かに譲り渡す。このような共存共栄をしてきた。そもそも金日成からして、元を糾せばあの辺りを跳梁跋扈していた匪賊だったのである。

この一心同体のものを切り裂こうとすれば、北京もただでは済まないであろう。瀋陽軍区は虎視眈々とクーデターを狙っているからである。しかし、かと言って、オバマの戦略的忍耐は、このような人類の敵をのうのうと生き延びらえさせ、事態を悪化させるだけである。

われわれも、もはやのうのうとはしておられぬのではないだろうか。
憲法九条第二項などという経文を後生大事に死守して身を滅ぼすか、それとも敵策源地にまで踏み込んで悪の根ごと引き抜いてやるというほどの胆力を一人一人の国民が持てるような真の国家にまで成長できるのか。
核が落とされてからでは手遅れなのである。