2016/06/29 13:32
九九は小学生のわたしにとって苦だったろうか。否である。別に苦ではなかったが楽しく覚えたわけでもなかった。
ににんがし、さざんがく、はっぱろくじゅうしと未だ忘れずにいるが自慢できるほどのことではない。まだ惚けてはいないという証拠になるだけのことである。要は、実用に供する物事というのは忘れない、ということだ。
しかし、なぜ小学生の時、先生は、
「偶数同士をかけると偶数、奇数と偶数をかけても偶数、奇数同士をかけたときだけ奇数になるのって不公平ではありませんか」
などと訊いてくれなかったのだろう。
あるいは、
「1から100までの数字の中で九九には出てこない数字がありますね」
などと訊ねてくれれば、九九はもっと楽しいものになったと思う。