会話

2016/10/30 16:50

一卵性双生児の会話というものを考えていて、これは詰まらないだろうな、という結論に達しました。

話を極端にして、この二人が生まれたときからずっと同じ衣服、同じ食事、同じ環境で同いじ体験をしてきたとしたら、彼らはほとんど会話する必要さえないように思えるからです。

この考えをさらに発展させると、同じ自我を持つAIなりロボット同士の会話(光速のコミュニケーション)はいったいどのようなものか、ということになります。

たとえば、このようなロボットαが東京に、ロボットβがニューヨークに住んでいるとします。彼らはネットワークでつながっていて常時通信しています。

さて、彼らにも人間相当の感情があるとしても、その会話というのは詰まらないだろうな、という気がします。彼らは、いわばハードディスクのミラーリングと何ら変わらず、互いのデータをバックアップし合っているだけだからです。そこにはなんの誤解も勘違いも生じないに違いありません。全く同じ人格の者がただ距離を隔てて存在しているようなものだからです。

しかもそれは、会話とは言っても実際には、自分の全神経がネットワークを通じて相手のこれまた全神経とつながっているようなものなのですから、一人の自分ががニューヨークと東京の間を光の速度で往き来しているのと同じことです。

AIが自我を持つようになったら、このようなことは現実になります。世界中に張り巡らされたネットワークの中にたった一つの自我が存在するようになるかもしれません。
これは、極めて恐ろしい事態と言えるのではないでしょうか。