AVATAR

2010/01/05 20:17

今日はアバターを見てきた。大変に良く出来た映画だった。残念ながら、3D画像だというのに普通の映画館で見てしまった。カラー映画を白黒で見たような、非常に損をした気分である。

この映画は宮崎駿に捧げるオマージュであると何かで見たような覚えがあるが、随所にそれを伺わせるシーンがあり、なるほどと頷いた。それは「風の谷のナウシカ」であり、「物の怪姫」であったりしたわけだが、宮崎アニメに特徴的な空間シーン、平たく言えば空を自由自在に駆け巡るシーンは3Dで見れば何倍も迫力あるものになっただろうにと悔やまれる。

J・キャメロンは、子供の頃からSFフリークだったらしく、この映画の着想はすでにその頃からあったと言う。アバターはSFはSFでもサイエンティフィック・ファンタジーと訳すべきだろう。科学と御伽噺の融合と言ってしまえば身も蓋もないが、映画制作上でも最新のパフォーマンス・キャプチャーというテクノロジーが使われていて、このような科学技術の発展なくして実現は不可能であったと思われる。

アバター(アヴィと人間とのハイブリッド)は、何かエヴァンゲリオンを思わせるが、アバター自身が衛星パンドラに生息する巨大な6本脚のダイアホースや巨大な鳥とフィラーと呼ばれる髪の毛を使って完全な意思の伝達を図り、人馬、あるいは人鳥一体となり大地をあるいは宙を自由自在に駆け巡るというアイデアは大変な優れものである。
また、空中に浮かぶ巨大な岩はルネ・マグリットの「ピレネーの城」から着想を得たものと思われる。

映画はエンターテーメントである。これはわたしがそう思っているだけで、他にもいろいろと意見があるだろう。しかし、面白くなければやはりその価値は暴落するのではないだろうか。エンターテーメントとは、たとえひと時でもこの世の憂さを忘れさせてくれる、さらには元気や希望を与えてくれる、そういうことではないだろうか。いつの時代でも、結局人は楽しみに飢えているのである。