2019-08-07から1日間の記事一覧

赦しについて

2010/02/10 22:24 恩を仇で返すという言葉がある。一方、これとは反対に徳を以て怨みに報ゆというのもある。 恩を仇で返すというのは、常識的に考えてあまりに不道徳な、人の道に外れた行いである。しかし、ある心理学によると、これは極めて正常な反応であ…

指揮官たちの特攻2

2010/02/09 18:21 一人息子の関大尉を特攻で失ってからというもの、サカエさんはまるで魂の抜け殻のようになってしまったという。それに追い討ちをかけるように、一時はやれ軍神だの軍神の母だのと持ち上げた世間も、敗戦以降は掌を返し、サカエさんは文字通…

最初と最後の特攻指揮官

2010/02/07 08:08 特攻隊について、あるいは三島の自決について書くとき、いつも忸怩たる思いに捕われる。彼らを尊敬する気持ちに嘘偽りはない。しかし、彼らの行為を自己犠牲だとか、英雄的であるとか、美しいとか、賛美すること自体がわたしなどには許され…

アクセルとブレーキ

2010/02/06 16:23 天下のトヨタが憂き目に遭っている。今やフラグシップカーと言っても良いプリウスの制動装置の不具合をはじめとする大量生産車のリコール問題だ。 トヨタは、「良い品、良い考」をモットーに世界一のカーメーカーとなった。しかし、ここに…

冊封国家

2010/02/03 16:29 ダーウィンはガルパゴス諸島で進化論につながる数々の発見をした。その中でも特に有名なのがフィンチと呼ばれる鳥である。 今日ではダーウィンフィンチと呼ばれるこれらの鳥の特徴的な違いは嘴である。たとえば、サボテンフィンチはサボテ…

DNAと運命

2010/01/30 17:46 われながら、とてつもないテーマに挑んだものだ。ただわたしは、運命というものについては生来的と言っても良いほど関心をもっている。しかしこれは、おそらくわたしだけではない、ほとんどの人が関心を持っていることであるに違いない。そ…

JDサリンジャー氏を悼む

2010/01/29 22:31 つい先日R・Bパーカー氏の訃報を耳にしたばかりだというのに、昨日はサリンジャー氏が亡くなったことを知った。 「ライ麦畑でつかまえて」は若い頃から翻訳でも原書でも繰り返し読んだ。この本が世界的な名作に名を連ねたのには、ホール…

神と脳について

2010/01/28 01:45 かなり以前に立花隆氏の「臨死体験」を読んだことがある。上下2巻の大変読み応えのある科学ドキュメンタリーであった。 氏は、このような際物とも思われかねない題材に取り組むにあたって、どのような態度で臨むかを相当に考えられたに違…

双頭の鷲の旗の下には危険!

2010/01/23 17:19 わたしの好きな藤原正彦氏の御尊父は新田次郎氏である。新田氏は気象庁の役人であったが、また作家でもあった。その有名な作品の一つに「八甲田山死の彷徨」がある。 この小説を読まれた方も多いことと思う。また、映画化もされたからこち…

ロバート・B・パーカー氏を悼む

2010/01/22 23:05 今日の産経でロバート・B・パーカーが亡くなったのを知った。去年にはマイケル・クライトンが亡くなっている。 二人ともわたしが好きな作家だった。クライトンのものでは「Air Frame」をオーディオブックとペーパーバックの両方を買ってi-…

金貨一円

2010/01/21 17:30 鶏頭となるも牛後となる勿れと言われたことがある。大きな会社で下っ端社員でいるよりは小さな会社でも社長でいる方が良いというような意味である。 シャープペンではなく、鉛筆のような人間になりなさいと言われた時には、無視を決めた。…

悪貨は良貨を駆逐するか

2010/01/20 19:28 ユリイカは、アルキメデスが比重の発見をしたときに感激の余り思わず発した言葉とされる。アルキメデスは、王冠に含まれる金の量を調べるよう命じられた。王冠を作った職人が与えられた金の量を減らして銀を混ぜたとの噂が立ったためと言わ…

政治とユーモアの精神

2010/01/19 12:58 週刊新潮1月21日号、藤原正彦氏の「管見妄語」には思わず笑ってしまった。「女性と数学者は年齢を偽ってもよい」と言った人がいる。私だったかも知れない。という書き出しで始まるコラムは秀逸である。 氏によると、女が年齢を偽るのは可愛…

杞憂と集合意識

2010/01/17 20:35 以前に杞憂について書いた。杞憂とは、空が落ちてこぬかと毎日心配していたある杞の国の人をからかった言葉である。転じて、余計な取り越し苦労のことを意味する言葉となった。 ところで、杞憂を本来の意味に戻って考えてみたときに、これ…

陰陽・十干・十二支

2010/01/16 17:03 今年は寅年。で、この寅という字。実は虎という意味以外に人間が神に祈っている姿を表わしているそうです。云わば絵文字のようなものだそうな。わたしは絵文字自体が良く分からないので、この字をどう見ればそんな絵になるのかとんと合点が…

拭えぬ違和感

2010/01/15 13:34 保守系マスコミの主張にときどき違和感を覚えることがある。 産経や新潮などの記事は、わたしたちには比較的受け入れやすいものである。正論と言っても良いと思う。鳩山民主政権の危うさを指摘し、日米関係の破綻に警鐘を鳴らしている。 た…

本日の産経「主張」から

2010/01/11 22:30 本日1月11日付産経新聞「主張」は、外国人参政権について踏み込んだ記事を載せている。 「自民は反対姿勢を明確に」とのタイトルの本文を紹介したい。 鳩山由紀夫首相や民主党の小沢一郎幹事長が永住外国人への地方参政権付与法案の今国会…

シュレ猫2

2010/01/10 17:15 昨晩は寝床の中で呻吟しながら(嘘)、シュレディンガーの猫(シュレ猫)の続きを考えた。運命と猫。果たして、どういう関係があるかというと、この猫、実は猫は猫でも半死半生の猫なのである。 話を簡潔にしたいのだが、どうしてもこうい…

シュレディンガーの猫

2010/01/09 23:28 以前から書きたいと思っていたテーマに運命がある。非常に深くて重たい哲学的な問題である。なぜなら、運命は時間という極めて難解な物理的要素とリンクしたものだからである。 話は飛ぶが、事業仕分けのときにスーパーコンピュータ、いわ…

悲劇の誕生

2010/01/08 22:32 アルベール・カミュじゃないけれども、人というものは本当に不条理で悲しい生き物である。こんなことを言うのも先日書いた乃木将軍の殉死が頭を離れないからである。 乃木将軍は、西南戦争の折に西郷隆盛側に錦の御旗を奪われたことを終生…

国家の品格

2010/01/07 22:45 日記の中で何度か取り上げたが、「国家の品格」は、わたしにとって道標とすべき本である。その書き出しに著者藤原正彦氏の実体験に基づく考えが述べられている。 氏は30歳前後の頃アメリカで教鞭を取っていた。そこで感じたのは、アメリ…

大難戦を担い得る者

2010/01/06 16:08 本日(1月6日)付産経新聞の「元気のでる歴史人物講座」から 両国の命運を決した日露戦争の真の決勝戦は旅順攻囲戦であった。ロシアは旅順に難攻不落の要塞を構え4万8千の兵力と600門以上の火砲を備えていた。だが参謀本部は敵戦力を1万5千…

AVATAR

2010/01/05 20:17 今日はアバターを見てきた。大変に良く出来た映画だった。残念ながら、3D画像だというのに普通の映画館で見てしまった。カラー映画を白黒で見たような、非常に損をした気分である。 この映画は宮崎駿に捧げるオマージュであると何かで見た…

水に流すな

2010/01/04 23:44 本会の主たる目的は、日本人の徳育にある。わたしはこの趣旨に大いに賛成してここに入れさせてもらった。 その徳目の一つに、日本人特有の「水に流す」というものがある。他人から受けた仇をいつまでも恨みに思わないできれいさっぱり忘れ…

Oよ!日本は立憲君主国なるぞ

2010/01/03 09:56 苟も天下に一事一物を成し遂げようとすれば、命懸けのことは始終ある。依頼心を起こしてはならぬ。自力でやれ。(伊藤博文) 本日付産経新聞、「次代への名言」の言葉である。 途中を割愛するが、「発言に軽さがうかがえる現政権とは対照的…

Appassionata

2009/12/31 18:59 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、改めて言うまでもなく偉大な作曲家である。自分自身は貧しく幸薄い人生を送りながら、音楽という世界共通の言語を使って人類に福音を与えてくれた。 歓喜の歌は、シラーの詩をもとに作曲されたが…

最高法規とは

2009/12/30 01:52 憲法は最高法規とされる。なぜなら、わたしたちの生活に直結するすべての法律は、憲法の支配下にあるからである。 しかし、実は憲法の上法が存在する。この法をわたしたちは空気のように呼吸しているために、あまり意識に登らせることはな…

「関東大震災」について2

2009/12/28 23:42 さて、著者は大正という時代について「液状化する大正時代」の一章を設けている。そして、その副題として「――朝鮮人激増――」としている。 大正時代に在日朝鮮人はなぜ増えたか。著者は、壬午事変に遡り、そこから日韓併合(明治43年――1…

「関東大震災」について1

2009/12/28 23:30 昨日、工藤美代子さんの「関東大震災」を買って読みかけたばかりである。読みかけたばかりであるが、これは非常に密度の濃い良書であることは疑いない。まず、工藤さんの勇気と熱意に敬意を表しておきたい。日韓は来年併合100年という記…

日本国憲法のケツの下に

2009/12/28 00:00 日本国憲法というのは、天から降ってきた災いのようなものである。たかだか300年ほどの歴史しか持たぬアメリカが2600年を優に越える皇統の歴史を持つわが国に押し付けたまさに釈迦に説法の憲法である。 日本国憲法第9条は、日本を去勢する…