奇跡の島 日本列島

2010/12/30 17:44


わたしたち日本人は、まずこの日本列島に生まれたことを感謝すべきと思います。

人類の祖先を、ミトコンドリアを頼りにずっとさかのぼっていくと、およそ50万年前のアフリカの大地にたどりつくといわれています。そこに生まれたたった一人の母(ミトコンドリア・イブ)が人類共通の祖先なのです。
それから何万年も掛け人類はヨーロッパ、アジア、アメリカ、オーストラリアへと広がっていきました。

そして、その中の最も幸運な者達が日本列島に落ち着いたのです。すなわち、わたしたちの祖先です。
なぜ、幸運だったかと言いますと、それは、今わたしはNHKを見ているからです。「シリーズ日本列島」という番組です。日本が如何に奇跡の国かを自然の素晴らしさから説いた番組です。

わたしたちは、空気のようにそれを感じませんが、日本の紅葉は世界一と言われるほどに美しい。カナダも紅葉が美しいと言われますが、黄葉と書いた方が良いくらいに黄色一色です。日本列島の紅葉がカナダなどとは違い様々な色に染まるのは落葉広葉樹の種類(32種)が多いためですが、これは、日本では氷河期に多くの落葉広葉樹が生き残ったことを意味しています。ヨーロッパや北米では多くの落葉広葉樹が氷河期に絶滅したのに対し、日本列島では暖かい海岸線や内陸部の起伏に富んだ地形に守られてこれらの落葉広葉樹が生き残ることができたのです。

その日本では、様々な色を表す言葉が生まれました。木通(アケビ)色。榛(はしばみ)色。葡萄(えび)色。朽葉色等々。

また、日本は動物相も豊かで131種もの固有種が存在します。これは世界一の豊富さです。因みにガラパゴスでも110種類。イギリスでは0です。これは、日本列島が1600万年ほど前にユーラシア大陸と離れたりくっ付いたりを繰り返していたことと関係があるそうです。また、日本列島がユーラシアから離れたことにより、日本には氷河期の終わりから雪が降るようになりました。つまり、黒潮が太平洋だけではなく日本海にも回りこむようになったため、日本海の湿度に富んだ空気が大陸からの冷たい風に運ばれ山脈を越えるときに雪となって降るようになったのです。
このように、日本列島は動植物が豊富であるだけではなく四季の移り変わりもはっきりしています。日本語には非常に多くの雨や雪、色などについて実に美しいたくさんの言葉があります。これらの言葉は、ただ日本の自然が非常に豊かで美しいことを示しているだけではありません。そのような自然に恵まれた日本人の感性が必然的に豊かで美しいものに研ぎ澄まされたことを雄弁に物語っているのです。

このような奇跡の島を発見し住み着くようになった私たちの祖先は大変幸運でした。その子孫であるわたしたちは、いわば日本列島だけに住む、日本列島が生み出した固有種なのです。わたしたちはこの日本列島を離れて生きることは出来ません。わたしたちは、この美しい国土と、その国土によって醸成されたわたしたちの美しい文化と伝統を守っていかなければならないのだと思います。