同時性について

2014/06/22 17:55

かつて後藤田正晴さんが「この男だけは総理にしたらあかん。日本がつぶれる」と言った人物がいる。

菅直人氏である。

なぜ、こんな話をするか。まず、後藤田氏の預言が当たらずとも遠からず、であったからである。
菅氏は、あの福島原発の件が象徴するように、日本を破滅に導きかねない危険な人物であった。

2011年3月11日、午後2時46分、わたしは国会中継を見ていた。この時刻、菅氏は答弁に立っていた。その答弁が自身の疑惑(在日韓国人から100万円の違法な献金を受けた)に関するものだったかどうかまでは憶えてはいないが、このころ、この疑惑が持ち上がっていたことは確かだ。

ともかく、2時46分、国会議事堂も激しい動揺に見舞われた。そして、それからしばらくして福島の原子力発電所は、津波に襲われ燃料棒の損壊にまで至る大惨事を招いた。

これを菅氏のせいだと言うつもりはない。

わたしは、今同時性ということについて書こうとしている。
時空連続体という言葉が、アインシュタインによる一般相対性理論の提唱以来、人口に膾炙するようになってからというもの、距離がたとえ1mでも離れていれば、それは同じ時空に属しているとは言えないことが理解されるようになった。

だから、いまこの地球上でまったく同時に起きている二つの事柄の間には何の関係もないのである。関係があるのは、ほんのわずか(と言っても何フェムト秒というほどの)でも時間的なラグのある二者の間だけなのだ。簡単にいうなら、因果関係には必ずタイムラグが生ずる。

しかし、確かに物理的には菅総理と311との間には何の関係もないはずだが、わたしの中では両者は密接につながってしまっている。菅総理と311の間には、因果関係はなくとも「縁」が出来てしまっているのだ。

だから、わたしには後藤田正晴氏の預言は正しかったのだと思える。
ナポレオンが運の良い将軍を寄こせ、と言ったのとは逆の意味で、日本は菅のような人物を首相などにしてはいけなかったのだ。