わたしは不可知論者だ。
何度も同じことを繰り言のように口にするのは老人になった証拠だから嫌なのだが、神の存在は、piの中に0が百回連続する箇所があるかという問いのように、永遠に分からないというよりないと思うのみだ。
ただ、わたしは、というよりわたしたち生きとし生けるものも、生を持たないものも、全ては、神の一部なのではないかと思う。
だから、その極小の一部に過ぎないわたしたちに全体が見えないのは仕方がないことなのだ、と思うのだ。
また、神を信じようと信じまいとほとんど違いはないとも思う。信じることによるご利益もなければ、信じないことによって不利益を被ることもない。
もしも、わたしたちが信じる必要があるものがあるとしたら、それは自分自身が今現実に存在しているということだ。これが全てで、神を信じようと信じまいと、それができるのは今自分自身が生きているからなのだ。