ムカつくNHK

2009/12/07 23:36

今わたしは、むかむかするために(!?) 背中でNHKを聞きながら、これを書いている。

明日は、日本がやむにやまれぬ理由により開戦に踏み切った日である。NHKがこの日についての番組を避けることは許されない。
しかし、どこの世界に自国が行った戦争の非を鬼の首でもとったように論う国民放送があるか。
しかも、伏見宮博恭王が敗戦の元凶であると言わんばかりの番組構成ではないか。

わたしは、今手元に文芸春秋(2007.11)を置いてこれを書いている。その136項に永野軍令部総長の評価がされている。米国のアーネスト・キングが80点とするなら永野は30点という評価らしい(秦郁彦

また、太平洋戦争を通じて、米海軍は26人の指揮官をいろいろな事情で更迭している、とある(半藤一利

秦郁彦 アメリカは平時と戦時とでシステムをガラッと変えてくるのに対し、日本は平時と同じローテーションでやっているから、大敗して逃げ出しているところへ辞令の電報が来て、「栄転です」という馬鹿なことがまかり通ってしまう。

そして、戸高一成(海軍史研究家・大和ミュージアム官庁)は「どうして日本海軍が懲罰人事をやれないか考えていくと、天皇を頂点とする国家体制の問題に行き着くと思うのです。統帥権天皇にあり、最高司令官は絶対無謬の天皇陛下です。とくに軍令部総長連合艦隊司令長官といった親補職天皇が直接辞令を出す。彼らの責任を追及すると、天皇まで責任がいってしまうために、結局だれも責任を取れない。責任は宙に浮く構造になっているのです」


対談の詳細は割愛させていただくが、放送内容はこの対談と寸分違わぬものであった。
戦争に勝ったには勝ったなりの勝因があり、負けたには負けたなりの敗因があった。それだけのことである。なぜいまさら軍事研究でもなかろうに、こうまで皇室と帝国海軍を貶めるような放送をするか。

わたしが一昨年の文芸春秋などを引っ張り出してきた理由は、このNHKのお為ごかしの実は自虐史感を国民に植え付けるための放送が、このときの対談をうまく利用したものであると確信したからである。うまく利用された者は馬鹿であり、自ら進んで利用された者は非国民である。