死と哲学

2013/03/04 09:38


死は哲学とは無縁である。

死は、結局のところ生理的、心理的な問題であって哲学で取り上げるべきものではない、という気がしてきた。

エピキロスが言うように「死はまったく恐れる必要がない。死を恐れているうちはまだ死はやってきていないわけだし、死んでしまったらもはや恐れの感覚さえなくなってしまうから」というのは、詭弁には違いないにしても一考に価する。

また、孔子もこの点では正しかった。「曰未知生、焉知死;未だ生も分からぬのに、なぜ死が分かろうか」

死を生という線分の一端とするなら、余りにその一端のことばかりを考え悩むことは愚かしい。わたしたちはもう一方の端についてはほとんど考えないではないか。その、生まれる以前という端の向こう側にも何もなかったはずなのに、である。