哲学は何の役にたつのか

2014/05/25 10:14

No.5606の横井さんのお話には同感です。

「人間ってなに?」というタイトルにされていますが、オオカミってなに?でも、サルってなに?でも、あるいはハエってなに?であってもわたしには同じことのように思えます。

つまり、哲学が何の役に立つのかという問い、いえ反語に対して、役に立つ、いや立たないという考え方もプラグマティズム的といいますか、あるいは功利主義的といいますか一つの哲学ではありますけれども、そもそも人間に限らずオオカミであろうとサルであろうと、あるいはハエであろうと、その存在自体は本質的に何の役にも立ってはいないと考えるからです。

生というもの、生そのものを考えるときに、何かが生に役立つかそうでないかを議論することは論点の逸脱のような気がします。

たとえば宇宙物理学などは哲学と同じで、ダークマターやダークエナジーの謎を追い求めることはほとんど一般の人々の幸福に寄与しません。それどころか、たとえばキリスト教を信じる一部の人たちにとっては、このような科学的探究は神への冒涜とさえ映るかも知れません。

太古の時代からヒトは哲学(愛智)をしてきました。それはきっとヒトの遺伝子に仕組まれたことだからではないでしょうか。そして、逆説的ではありますが、とても面白いことに遺伝子にプログラムされたことというのは必ず利己的な遺伝子の役には立っているのです。