仏教徒と空

2014/05/25 11:09

空というのは零とは違いますね。1から1を引いたら0になりますが、1そのものがなくなるわけではありません。

物質(たとえば陽子)と反物質反陽子)を結合?させると物質自体は両方とも消失します。E=mc^2にしたがい莫大なエネルギーが生じますが、エネルギーそのものは物質ではありません。

また、エントロピーの法則に従い物質は絶え間なく崩壊の方向に進みます。
つまり現実的に、人間の一生という短いスパンで見ても、宇宙という永いスパンで見ても向かうところは零であります。零=虚無と考えると、これはもうニヒリズムというよりありません。わたし自身、ときおりこの種のニヒリズムに陥ってしばしば眠れなくなることがあります。

しかし仏教の空というのは、わたしには器のもつ能力、すなわち許容力、キャパシティのことのような気がします。

宇宙は果てしなく膨張を続けているわけですが、その膨張を許しているのは空です。空とはフィールドであり無限大の空間のことではないかと考えると、そこには少し救いがあるような気がしてきます。