仏教と動物

ときどきYouTubeで仏教ものを見たりする、のだが、そんなときに思うのは、仏教の説いていることというのは、これはもう人間の本質であって、人間の本質というのは結局生き物としての本質である、という極めて当たり前のことである。

たとえば、わたしは犬を飼っていたからよく分かるのだが、犬というのはいつまでも恨みつらみを長引かせたりはしない。その時のことはその時のことで、すぐに忘れてしまうということである。そして、それが結局自身の幸福につながるということである。

わたしたち人間というのは、所詮猿の脳が少し発展しただけの動物に過ぎないのに、神に最も近い存在だなどととんでもない勘違いをしているわけで、これほど自惚れの強い生き物は他に例を見ない。

仏教というのは、わたしはよく知りもしないのだが、それでも結局は人間の、というよりも生き物全般にわたって真理を説いているのだな、と思っている。

仏教には物理法則を思わせるようなものもあるが、それは当たり前のことで、わたしたちの肉体も精神も全てこの世の物理法則を支えに成り立っているからである。

仏教とは、わたしたちに今一度原始の姿に帰れと教えてくれているのである。

文明の厚い着物に包まれたわたしたちに、犬や猫を見習いなさいと言っているのである。