黄色い雨

2011/03/24 19:53


八神純子の水色の雨が一時期大好きだった。ところが、今日都内を歩いていて、黄色い雨が降ったと思われる痕跡を認めた。もっとも、ニュースにもなっていないから、わたしの常人より少しばかり鋭い感覚だけが捉えられた現象かも知れない。その痕跡というのは、歩道の上にぽつぽつと蛍光色のような黄色の斑模様がついているのだ。仔細に調べてみるとレモンイエローの水彩絵の具を水に溶かしたのが乾いたようにも見える。建物の樋などからの雨水が歩道に跡を残したと思われるものもある。小さな溜まり水が乾いた跡と思われるものもある。いずれにしても、雨に含まれた何らかの成分が固着したものに違いない。

そこまで考えて、わたしは!となった。
これは、イエローケーキ?と最初思ったのだが、まさか、そんなことがあるはずがない。
そこで、思い出したのが千葉県の市原市で起きた製油所の火災である。そうだ! あれに違いない、と思ったのである。製油所というのは、原油をウィスキーのように蒸留する所だ。熱を加えると、真っ先に蒸留して出てくるのがガソリンで、次に軽油重油というふうに分かれて出てくる。そして、この段階でかなりの割合で原油中に含まれる様々な有害物質、中でも硫黄が取り除かれるはずである。しかし、つい先日まで火の治まらなかったコスモ石油の製油所火災では硫黄をたっぷり含んだ原油が燃えてしまった。それも大量に、である。それが先日の雨の芯になって降ってきたのだ。

上は、勿論わたしのかなりいい加減な推測である。しかし、あれほどの大火の後遺症が0であるはずがない、とわたしは思う。
そして、今回の福島原発の大事故である。この後遺症も当然に0であるはずがない。その後遺症は、現実に今目に見えるようになってきている。その最大のものが地域住民の避難と風評被害という奴であるが、原発のリスクマネジメントということを考えるなら、当然にこの風評被害もそのファクターに入れなければならないであろう。仮にどこかの保険会社があの原発の保険を引き受けるとするなら(おそらくしないであろうが)、この風評被害による保険料の支払いを計算することは間違いない。

今、東電は存続の危機に陥っている。しかし、その危機は、クライシスマネジメントの欠如、あるいは稚拙さから生まれた。つまりは、自らが産み出したのである。一国の経済や国民の健康に対して、これほどの打撃を与え得る原発の運営と管理を余りに軽々に行っていたのだ、と非難されても仕方がないのではないか。