ブラックホールに毛

2016/06/14 08:58


聞くところ(わたしはこれをマミとマイケルのバイリンガルニュースで知った)によると、かのホーキング博士ブラックホールには毛があるんじゃないか、という説を唱えているらしい。

年年歳歳、頭の外側と中身が薄くなっていくことを自覚する身としては、ブラックホールが羨ましい。というのは嘘で、わたしは決して強がりではなく、頭の毛などなくてもよいと思っている。いや、頭の毛に限らず、人類にはもはや毛は必要ではないのではないか、という想いを強くしている。というのもやはり嘘で、別に毛についてなど毛ほどにも考えてなどいない。

しかし、これがブラックホール(以下BH)の毛となると話は別で、いったい何のこっちゃ、と俄然好奇心が湧いてくるのである。
もちろん、バイリンガルニュースだけの情報では詳細は分からない。ただ、持ち前の洞察力(そんなものほんとにあったか?)によって、何となくではあるが、BHというのは、わたしがこれまで度々言及してきたように、光(情報)を捉えて格納し、いずれ吐き出すストレージとしての役目を持っているのではないか、と考えてきた。

つまり、わたしたち、いやわたしたちに限らず、この宇宙におけるすべての歴史は、光として宇宙空間に放出される。たとえば、1945年8月6日、ヒロシマに落とされた原爆の光は今も地球から71光年離れた宇宙空間を突き進んでいるのである。そして、いずれこの光はBHに飲み込まれるであろう。
すると、先に述べたように、BHはストレージである。一度飲み込んだこのような情報は捉えて決して離さない。恰も食虫植物のように・・・。

食虫植物に飲み込まれてしまった蠅(情報)は栄養素に分解されBHの一部になってしまうのであろうか。もしもそうだとすれば、すべてのBHは同質である。毛のないつんつるてんの頭がいくら並んでいようと区別がつかない。これがBHホール脱毛論である。
しかし、ホーキング博士が主張しているのは、そうではない、ということである。
事象の地平と呼ばれるBHの頭皮。その内側で何が起きているのか、わたしたちは知ることができない。しかし、その頭皮に毛が生えているとすれば、BHには個性があるということになる。

とするなら、BHというものをこの宇宙が持つ巨大な内部メモリーと考えることもできるのではないか。というのがわたしの考えである。つまり、自分自身の身の上に起こったことを記録する日記帳、それがBHなのではないか。

ただ残念なことに、わたしたちはその日記帳を読むことは永遠にできないのである。