血液型をめぐるあれやこれや

ネットの記事によると、コロナに罹りやすかったり、逆に罹りにくい血液型があるそうだ。

血液型というのは普通赤血球の型のことで大きくは4種類ある。では普通にいう血液型以外に何があるか、というと、白血球の型などである。

白血球は免疫システムを担うものであるから、これの型によってコロナに罹患し難い、し易いがあっても不思議な気にはならない。

ところが、取り上げられているのは赤血球の型である。いわゆる血液型によって罹りやすい癌があることは知っていた。また、サラセミア又は地中海鎌状赤血球症と呼ばれる病気があって、この遺伝性の赤血球を持つ人の寿命はあまり長くないことも知っている。

サラセミアは、人体がマラリアに対抗して赤血球の形を三日月のように変えたものである。赤血球の寿命が短いため、これに寄生したマラリアの原虫は成虫になる前に死んでしまう。いわば、肉を切らせて骨を断つ極めてリスクの高い戦略を人体は選択したことになる。

だから、血液型というものは、様々な病気との戦いの中でより生き残り易いものが選択されていった結果と考えてもよい。なぜなら、たとえ1%でも生存の可能性が高ければ、自然淘汰はその血液型を残す方を選択するであろうから、人類の歴史と共に変化してきた居住環境とそこでの風土病やエピデミックなどによって人間の血液型の分布も時間と地理によってモザイクのように変化してきたものと思われる。

このように、病気と血液型とには相関がある。そして、このことに異を唱える医者や科学者というのはあまり聞いたことがない。

ところが、いつも不思議に思うのは、これが血液型と性格、或いは気質との関係などということになると、まるで手のひらを返したように、医者や学者たちは首を揃えて横に振るのだ。わたしはこのような場面をテレビで何度も目にしてきた。

だから、きっと放送規定の中にそのようにしなさいと謳われているんじゃないかと思っている。

あるいは、これは例の日本人特有の空気感というやつで、無邪気に「関係あるんじゃないですかね」などと言おうものなら、たちまち医師会やら学会から総スカンを食ってしまうのではなかろうか、と思ったりもするのである。

なぁーんという非科学的な学者どもなのだろうか。

それともどこかの団体などから強力な圧力でもかかっているのだろうか。