植物 陰謀のセオリー

2010/10/13 23:10


先日植物のパワーについて書いた。植物の特にヒーリングパワーともいうべき薬効についてである。古から人は植物に様々な病気を癒す力があることを知っていた。逆に恐ろしい毒をもつ植物があることも知っていた。国内ではトリカブト夾竹桃の毒などがそうである。

その中間というわけではないが、コカの葉にはコカインが含まれ、コーヒーの実にはカフェインが含まれる。タバコの葉にはニコチンが含まれ、おそらく世界で数十億の人間をその中毒患者にしている。

わたしが人間は植物にコントロールされているのではないかと思う理由がここにある。しかし、そのコントロールは非常に緩やかで何百年、あるいは何千年もかけて行われているので、誰もその巧妙さに気がつかないだけなのだ。

タバコを例に挙げても、コロンブス以前にはこのような植物はアメリカ大陸以外にはなかった。それが今や世界中で栽培されている。つまり、人類は蜜蜂や蝶やその他の昆虫と同様、蜜の代わりにニコチンに魅かれてタバコの繁殖に貢献してきたということなのだ。芥子にしてもコカにしても同様である。植物の巧妙な繁殖戦略に人類は巧く利用され続けてきた。

逆だろう、という意見もあるかも知れない。人間が植物を利用してきたのではないかと。しかし、よく考えてほしい。ニコチンなどというものがなぜ存在するのか。コカインがなぜ人間の脳をハイにするのか。あるいは阿片がなぜ人を恍惚にするのかを。
さらには、なぜ米や麦には人の生存に欠かせない栄養素が多く含まれるのか。
薔薇はなぜ人を惹きつけて止まないのか。なぜ多くの人が蘭に夢中になるのか。ガーデニングに没頭するのは何故なのか。

植物は、わたしたちが考えている以上に高度な知能を持っている。しかも、その知恵はわたしたちのように短期的な視点によるものではない。何百年、何千年後を見越した極めて遠大でしかも精緻なものなのである。