連合艦隊司令長官 山本五十六

2012/01/04 08:14


先日、役所広司さん演ずる山元五十六の映画を見た。これは思っていた以上に良かった。何が良かったかというと、やはり役所公司さんが光っていた。実に様になっていた。

かつて、三船敏郎がトラトラトラだったと記憶するが、同じく山本長官を演じたときも良かったが、今回はより人間味のある、言いかえればより深みのある人物像が描けていたような気がする。

原作は半藤一利氏で、確かにその軍令部批判のトーンはそのまま下手な手は加えられはいない。というよりも、今のわが国であの戦争を賛美礼賛するような映画を作ることは不可能であろう。

氏の祖先は長岡藩士だそうだから、確かに山本五十六との縁浅からぬものがあったであろうし、果たして本当に原作にあったのかそれとも脚色なのかどうかは知らないが、例の米百俵の話を若い長岡出身の搭乗員に得意げに語らせていても何ら違和感はなかった。
おもしろかったのは、山本家の食事時の風景である。狭い食卓に妻と子供が五人ほど集まり晩飯を食うシーンなのだが、五十六が一尾の鰈の煮付けを一人ずつ名を呼びながら取り分けてやるシーンには、家父長制度というものが息づいていた古き良き時代というものを感じさせてくれた。

わたしの評価で70点はつけたい映画であった。