相対性理論7(ビューティフル・マインド)

2010/03/20 17:51

前にオイラーの宝石と言うのを書いた。オイラーの宝石とは、次のような式である。
e^iπ+1=0(ここで、eは自然対数の底。iは虚数単位:i^2=-1。π:円周率)

わたしは、このeをはじめて習ったとき、絶対に円周率と何らかの関係があると直感した。すばらしい動物的感性である。

オイラーという人は、非常に優れた数学者であり、後世に大きな影響を与えている。例えば、ケーニヒスベルグの橋という問題がある。これは一筆書きの問題として非常に有名だが、オイラーはこの問題を解くことは数学的に不可能であると証明した。

ところで、今回、紹介したいのは、オイラーの次のような式である。

1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+・・・=π^2/6  この式を書き直すと、

2^2/2^2―1×3^2/3^2-1×5^2/5^2-1×7^2/7^2-1×・・・=π^2/6となり、

お気づきのように、全て素数の掛け算になっている。

これをさらに発展させたのが、リーマン幾何学で有名なベルンハルト・リーマンである。

ポアンカレ予想は、ペレルマンによって前世紀末に解決を見たが、今世紀に入っても未だ解けぬ数学上の大難問が、このリーマンの名が冠せられたリーマン予想(RH)というものである。
ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはずだ」というのがそれである。
ここで自明なゼロ点とは負の2,4,6・・・である。

しかし、仮にそうだとして、そのことに一体どのような意味があるのか。数学的には、一見ランダムの極致のような素数に規則性があることになる。物理的には、ミクロの世界で扱われる量子カオスと関連があるとされている。

また、この問題は、映画化もされた「ビューティフル・マインド」の中にも出てくる。ラッセル・クロウ扮するジョン・ナッシュ博士がアインシュタイン相対性理論の説く時空の特異点と一致すると発表した直後に統合失調症の発作に見舞われる場面である。
時空の特異点とRHに本当に関連があるかどうか知らないが、ナッシュ博士は、RHの研究に没頭する余り、精神に異常をきたしてしまったのかも知れない。

いづれにしろ、フィールズ賞を授けたジョン・ナッシュにしてさえもリーマンゼータと云われる難問を解く事は出来なかった。おそらく、この問題は宇宙の根源とつながっており、この解が得られたとき、人類は新たな境地に立つことになるであろう。これをわたしはkiyoppy予想と名づけさせてもらうことにする(~ああ、無情)。